1月の末、東京でDr.ロイ&Dr.ソンカのセミナーを受講しました。
このセミナーは、2月のコラムで当院院長も記載していますが、被せものを入れるときに特殊な削り方をすることで、歯肉が下がるのを防ぐとともに虫歯を防ぐことができる手技のセミナーになります。Dr.ロイは、その特殊な削り方を発見した先生です。
当院では、2015年に院長がイタリアで開催されたDr.ロイ&Dr.ソンカのセミナーを受講して以来、その特殊な方法で被せものを入れるようにしてきましたが、今回日本でも同様のセミナーが開催され、私自身も受講することができて大変勉強になりました。
日本人(アジア圏の人)の歯肉は、欧米人に比べ非常に薄く、そのため歯肉が下がりやすい傾向にあります。特に、従来の歯を被せる際に行う削り方の場合、歯の境目(マージン)と被せものとの境界部分に段差ができるため、被せてから数年後に歯肉が下がるといった現象が起こりやすくなるのです。
被せものによって歯肉の形が変わるため、天然歯だけではなく、インプラントでも同様のことが起こります。
インプラントは、@骨に入るインプラント体Aインプラント体に接続する土台B冠の3ピースから構成されています。
従来とは異なる歯の削り方、異なる形態に加工されたインプラントの土台を使用することで、歯肉が下がるのを防ぐことができるようになります。
Dr.ロイは天然歯だけでなく、インプラントでもあらかじめ歯肉が下がりにくくなるようなインプラントを開発しています。
最近のインプラントは、骨の中に入る部分の面を荒くする特殊加工を施していますが、Dr.ロイが開発したインプラント(以下、プラマインプラント)は、骨の中に入れる荒い部分だけでなく、ツルツルに研磨した上部を骨の中に入れても骨結合します。さらに、厚みが確保できて多くの血流を確保することができるので、歯肉にとっても良い方向に働き、その結果として歯肉の退縮を防ぐことができるようになります。
また、このプラマインプラントは、骨の柔らかさによって種類を選択することができるので、とても便利です。
従来から使用されているインプラントも、もちろん信頼性があり、とても良いインプラントですが、このように歯肉に優しいインプラントも新しく出ていますので、患者さんのお口の状態に応じて一番いいインプラントや天然歯の治療を行っていくことが大切だと考えています。当院院長は、このプラマインプラントのインストラクターでもあります。
■2017/03/30